軒天に黒いシミや剥がれを見つけたら?

軒天に黒いシミや剥がれを見つけたら?浜松市のウチケンが解説
こんにちは。浜松市の塗り替えリフォーム専門店「ウチケン」代表の内山です。
家の下から屋根を見上げると、屋根の裏側に板のような部分があります。
これが軒天(のきてん)・軒裏と呼ばれる部分です。
普段はあまり気にしない場所ですが、
「黒いシミが出ている」
「塗装が剥がれている」
「一部分だけ茶色くなっている」
といった変化に気付くことがあります。
そのとき、
「上から塗ればきれいになりますか?」
と相談されることがあります。
結論からいうと、軒天のシミや剥がれは、塗装する前に「なぜその症状が出たのか」を確認することが大切です。
汚れや塗膜劣化だけなら塗装で対応できる場合があります。
しかし、水分が関係している場合は、原因を直さず表面だけ塗っても再び同じ症状が出る可能性があります。
軒天の黒いシミは雨漏りのサイン?
雨漏りの可能性はありますが、シミがあるだけで原因を決めつけることはできません。
住宅瑕疵担保責任保険協会の既存住宅検査基準でも、軒裏については雨漏りの跡やシーリングの破断・欠損を確認する項目になっています。また、軒裏に水染みがある場合、周辺の構造部材の劣化につながる可能性があるとされています。
軒天に水分が回る原因としては、
- 屋根材の不具合
- 板金部分
- 雨樋周辺
- 屋根と外壁の取り合い
- ベランダやバルコニー
- 設備配管
など、いくつかの可能性があります。
だから、
「軒天が濡れている=屋根を塗れば直る」
という判断はしません。
雨漏りが疑われる場合は、まず入口を探します。
湿気や結露で黒くなることもある?
あります。軒天全体に広く症状が出ている場合などは、結露や湿気も原因の候補になります。
住宅瑕疵担保責任保険協会の調査資料でも、軒裏の水染みについて、屋根からの雨漏りだけでなく、結露や設備配管の不具合など複数の原因を確認する考え方が示されています。特に軒裏全体に劣化が見られる場合は、結露の可能性も検討するとされています。
小屋裏では湿気を適切に外へ排出することも重要です。
国土交通省の住宅性能関連資料でも、小屋裏の劣化原因として雨漏りや結露水を挙げ、換気によって湿気を屋外へ排出する考え方が示されています。
つまり、
黒い=全部雨漏り
でも、
黒い=全部カビ
でもありません。
症状の出方を見ることが大切です。
塗膜が剥がれているだけなら塗装できる?
下地自体が健全で、剥がれの原因が解決できていれば再塗装できる場合があります。
ただし、そのまま上から塗るのではありません。
- 浮いている旧塗膜を除去
- 下地を清掃
- 軒天材の状態を確認
- 必要な下地処理
- 材料に合った塗装
という流れで進めます。
日本ペイントの軒天専用塗料でも、旧塗膜が健全な場合と、表面が粉化したり吸い込みが大きい場合では、必要な下塗り工程が異なります。また、軒天用塗料には背面からの水分の影響を緩和するため透湿性を持たせた製品もあります。
ウチケンの施工事例でも、軒天に剥がれがあった住宅で、不陸調整など下地を整えてから施工しています。
軒天材そのものが傷んでいたら?
材料自体が腐食・崩れ・大きく変形している場合は、塗装ではなく補修や交換を検討します。
例えば、
- 軒天材がふやけている
- ボードが崩れている
- 穴が開いている
- 大きくたわんでいる
- 一部が落ちそうになっている
という状態です。
国土交通省の建物点検資料でも、軒裏について剥落の危険性がないか確認することが点検項目として挙げられています。
軒天材そのものが傷んでいるのに、
「塗れば見えなくなるから大丈夫」
ではありません。
必要であれば傷んだ部分を交換し、その後に仕上げます。
軒天の換気口を塗って塞いでも大丈夫?
換気のための有孔板や通気部材を、塗料などで機能しない状態にしてはいけません。
軒天には、小屋裏の換気を目的として穴の開いた有孔板や通気部材を使用している住宅があります。
ニチハの軒天施工仕様でも、無孔板だけではなく有孔板や軒天通気見切縁など、換気を考慮した仕様があります。
ですから現場では、
「どこまで塗るか」だけではなく「この部分は何のためにあるのか」
を見ることも重要です。
例えばこんなケースがあります
外壁塗装の現地調査で、
「軒天が黒くなっているので、ここも白く塗ってください」
と相談されたとします。
もちろん、単なる汚れや経年劣化なら塗装できれいにできる場合があります。
しかし確認すると、
軒天の一部分だけに茶色いシミがある。
その真上には屋根と外壁の取り合いがある。
以前の大雨のあとからシミが濃くなった。
こうした状況なら、私は先に水分の原因を確認します。
逆に、
雨漏りの形跡はない。
軒天材もしっかりしている。
旧塗膜だけが傷んでいる。
という状態なら、下地処理をして塗装を検討できます。
ウチケンの施工事例でも、外壁だけでなく軒天・雨樋・屋根などの付帯部分まで確認して施工しています。
自宅で確認してほしい6つのポイント
家の下から安全に見える範囲で確認してください。
- 軒天に黒・茶色のシミがないか
- 塗膜が剥がれていないか
- ボードが浮いたりたわんだりしていないか
- 雨のあとにシミが濃くならないか
- 雨樋周辺に水漏れがないか
- 一部分だけでなく広範囲に黒ずんでいないか
ご自身で確認できる住宅の劣化サインはこちらでも紹介しています。
屋根や高い場所へ上る必要はありません。
地上から見て、
「以前と違う」
と感じたら、それだけでも点検する理由になります。
内山社長のひとこと
住宅のシミや剥がれは、
家からの「ここを見てください」というサイン
の場合があります。
もちろん、全部が大きな問題という意味ではありません。
塗膜が古くなっただけなら、きちんと下地処理をして塗ればいい。
でも、水が回っているなら先にその原因を直す。
軒天材そのものが傷んでいるなら補修する。
その順番が大切です。
黒いところを白く塗れば、その日はきれいになります。
でも私たちの仕事は、完成した日にきれいに見せることだけではありません。
なぜ剥がれたのか。
なぜシミができたのか。
雨なのか、湿気なのか。
そこまで考えてから直す。
雨漏り修理を長くやってきたからこそ、私はこういう見えにくい部分を大切にしています。
浜松市・浜名区で軒天の黒いシミ、剥がれ、たわみなどが気になっている方は、まず現在の状態を確認してみてください。
よくある質問
Q. 軒天が黒くなっていたら雨漏りですか?
雨漏りの可能性はありますが、結露・湿気・汚れ・カビなど別の原因もあります。発生範囲や雨との関係を確認します。
Q. 軒天の剥がれは塗れば直りますか?
下地が健全で原因が解決していれば再塗装できる場合があります。材料自体が傷んでいる場合は補修・交換を検討します。
Q. 軒天に穴が開いていたら塗装できますか?
塗装で穴そのものは直せません。軒天材の交換や補修が必要になる場合があります。
Q. 軒天のカビは塗れば消えますか?
塗装で見た目を整えられる場合はありますが、湿気や水分の原因が残っていると再発する可能性があります。
Q. 軒天は自分で確認できますか?
地上から目視できる範囲なら確認できます。高所作業や屋根への登りは避けてください。
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「相談したら全部工事しなければいけない」ということはありません。
まず、今やること・数年後に考えること・まだやらなくていいことを整理してみましょう。
この記事を書いた人

内山 雅彦(うちやま まさひこ)
株式会社内山建装(ウチケン)
代表取締役
保有資格:
一級塗装技能士・職業訓練指導員
高校卒業後から塗装業界に携わり、塗装職人として30年以上の経験を持つ外壁塗装・屋根塗装の専門家。2001年に内山建装を創業し、浜松市を中心に磐田市・袋井市・掛川市など、静岡県西部で地域密着の塗装・リフォーム工事を手がけています。
国家資格である一級塗装技能士の知識と豊富な現場経験を活かし、一軒一軒の住まいの状態に合わせた適切な施工を大切にしています。
ブログやYouTube「ウチケン先生」では、外壁・屋根の劣化症状、塗り替え時期、費用相場、失敗しない業者選びなど、住まいを長持ちさせるための情報をプロの視点からわかりやすく発信しています。
- 専門分野
- 外壁塗装・屋根塗装・防水工事・住宅リフォーム
- 趣味
- 釣り

























